本章の課題

13・9 キックキャンセル(Kキャン)の特性

chapter 123,有利大からの投げキックキャンセル(span class="strong red">Kキャン)によって防がれたのをみて落胆したかもしれません (See Supporting Information 3 in chapter 123).[1] 打撃発生を投げることができないのは想定の範囲内でしょう (Figure 1323).[2] しかし驚くべきことに,Kキャンを用いて投げを回避すると,しばしば相手の投げ硬化に対して打撃での反撃が確定し,このことがKキャンを卓越した防御方法としています.

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Figure 1323

上と同じ状況で,今度はPlayer 2が投げの代わりにビート&バックナックル P+KP (初撃の発生16フレーム)を選びました (Figure 1324). ここで,ビート&バックナックルノーマルヒットにしかならず,わずかに32 ptsしかダメージを与えられないことに注目しましょう: このことは,ジャッキーのフォワードキック 6_Kやべネッサのデスサイズ 6_Kをキャンセルした場合にも当てはまります.ビートナックル P+K硬化カウンターヒット[3]していたならば,コンボで追撃できたであろうことはいうまでもありません.

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Figure 1324

ここでKキャンについて,もっと詳しく知る必要がありそうです.下に示す図では,6フレーム不利な状況からPlayer 2はKキャンに対して立ちP (発生 12フレーム)を打ちました (Figure 1325, left). 興味深いことに,突き返し蹴り Kをキャンセルする直前の状態にあるPlayer 1に,立ちPカウンターヒットしています.一方, Player 2がスピンヒールソード (発生20フレーム)を選ぶと,突き返し蹴り Kのキャンセルモーションの最終フレームにノーマルヒットします.以上をDiagram 136にまとめます.この図はカゲのKキャン全体フレーム[4]14であることを示しています

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Figure 1325

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Diagram 136

全体フレームに関する知識は,相手の投げをKキャンで回避したときの有利を活用するために大いに役立ちます.すでに,ほとんどの投げ全体フレーム34であることは知っているので,[2] 実際の有利フレームは以下の式で計算できます:

34 − Kキャンの全体フレーム − 不利フレーム = 得られた有利フレーム

たとえば,Player 1が中蹴り 3Kをガードされて6フレーム不利な状況で,Player 2のドラゴングラップル P+G (通常の屈伸避け[5]で派生技に対して保険をかけています)をKキャンで回避しました (Figure 1326). このときのPlayer 1の有利フレームは:

34 – 14 – 6 = 14フレーム

これだけの有利フレームがあれば,Player 2は十分に打撃で反撃することができます.この場合,発生14フレーム以下の打撃が確定します.実際,下の図に示すようにPlayer 1は発生13フレーム螺旋裏蹴り 4PKを選び,このものが硬化カウンターヒット[6]しています.

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Figure 1326

各キャラクターのKキャンと,投げを回避したときに反撃に使用される打撃の関係をTable 131にまとめます. [7] この表をもっと活用するためには,chapter 15を参照して下さい.[8] ところで,有利フレームをもつPlayer 2の視点に立つと,Kキャンは非常に強力で厄介な防御テクニックです.重要なのは:

相手がKキャンで投げを回避できるときに投げを狙うならば,慎重になるべきだということです.

Table 131
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13・10 Kキャン対策

一見すると,Kキャンに対して通常の二択は役に立ちそうにありません.せっかくの有利大の状況を活かすためには,どうすればよいのでしょうか.このピンチをチャンスにかえる必要があります.有効な防御方法ほど相手の使用頻度が上がるので,その対策は対戦ではむしろ貴重なダメージソースになるからです.

たとえば,少し遅らせた投げ[9]キャッチ投げKキャンにはとても有効です (Figure 1327). 有利大の状況で,キャッチ投げが信頼性の高い選択肢となることはすでに述べました.[10]

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Figure 1327

Figure 1324の状況を念頭に置いて,ノーマルヒットでも期待値の高い打撃を選ぶのもよさそうです.[11] 図では,Player 1は6フレーム不利な状況からPlayer 2のKキャンに対してボディーブローからのレイジオブドラゴン 3P+K (ヒット中) P+Gを行っています (Figure 1328). Player 1の打撃投げ[12]は,期待通りの成果をあげるに違いありません.またこの場合,ボディーブローがPlayer 2のP暴れにも打ち勝つ選択肢となっていることに注目しましょう.

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Figure 1328

対戦相手がヒット確認状況確認)に秀でているのであれば,ガード崩し[1]が威力を発揮するでしょう.(Figure 1329). ヒット確認[13]については,chapter 23で詳しく述べます.chapter 112でも述べたように,[14]対戦相手の防御行動を崩すことのできる最も効果的な方法を厳選しなくてはいけません.防御行動を崩すために選択肢を増やし過ぎると,読み合いが煩雑になりため効率が悪くなってしまうでしょう.

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Figure 1329

VFDC Forums

引用文献

  1. キャッチおよびガード崩しの特性 3
  2. 投げの特性 1
  3. ガード後の確定反撃
  4. 打撃の特性
  5. 有利大における投げ 2
  6. スカ確をとってみよう
  7. ハマー珍平のバーチャブログ
  8. 一手先を考えて行動する 1
  9. ファジーガード 3
  10. キャッチおよびガード崩しの特性 1
  11. バーチャ・大暴走葉隠日記
  12. 有利大における投げ 3
  13. ヒット確認による確定ダメージ
  14. ファジーガード 2
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